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福岡地方裁判所 昭和49年(ワ)625号 判決

原告

江藤末利

被告

有馬鉱業株式会社

主文

1  被告は原告に対し金七二四万四五七六円及びそのうち金六六四万四五七六円に対しては昭和四五年五月三〇日から、金六〇万円に対しては昭和五一年六月二六日から、各支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

2  原告のその余の請求を棄却する。

3  訴訟費用はこれを五分し、その二は原告の、その余は被告の各負担とする。

4  この判決は1項にかぎり仮に執行することができる。ただし、被告において金二〇〇万円の担保を供するときは右仮執行を免れることができる。

事実

第一当事者の求めた裁判

(原告)

1  被告は原告に対し金一四〇〇万円及びこれに対する昭和四五年五月三〇日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  仮執行の宣言

(被告)

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二当事者双方の主張

(請求の原因)

一  事故の発生

原告は次の交通事故によつて傷害を被つた。

1 発生日 昭和四五年五月三〇日

2 発生地 福岡県粕屋郡宇美町井野先路上

3 加害車 大型貨物自動車(福岡一さ三六二七)

運転者 訴外前田初

4 被害車 大型貨物自動車(福岡一い六四〇四)

運転者 原告

5 事故の態様

進行中の被害車右前部に対向方向から道路右側に進入してきた加害車が衝突したもの

6 傷害の内容・程度

原告は右事故により右鎖骨々切、左大腿下端及び脛骨頭開放骨折、右第二・三・四・五中足骨々折、左二・三・四・五・六肋骨々折等の傷害を受け、左記のとおり治療の結果、昭和四六年八月二五日右肩部疼痛、右足関節運動制限、左膝関節硬着等の後遺症(自賠法施行令別表七級一〇号に該当)を残して治癒した。

(入院) 昭和四五年五月三〇日~同年八月一〇日

古川外科整形外科病院(七二日間)

昭和四五年八月一一日~昭和四六年七月三一日

築山整形外科病院(三五五日間)

(通院) 昭和四六年八月一日~同月二五日

築山整形外科病院(実日数二日)

二  責任原因

被告は本件加害車を保有し自己のために運行の用に供していたものである。(自賠法三条)

三  損害 合計三〇五七万二〇一五円

1 治療費

全額被告及び自賠責保険より支払ずみ

2 入院雑費 一二万八一〇〇円

一日三〇〇円として四二七日分

3 付添看護料 四二万六〇〇〇円

一日一二〇〇円として三五五日分

4 休業補償及び逸失利益 二六五一万七九一五円

(一) 原告は個人で運送業を営んでいたが、事故前五ケ月間の一ケ月平均収入は次のとおり四〇万〇三九九円である。

(1) 五ケ月間の運賃収入 三二九万九四二二円

(2) 必要経費 一二九万七四二六円

(3) 五ケ月間の利益 二〇〇万一九九六円

(4) 一ケ月平均利益 四〇万〇三九九円

(二) 本件事故のため原告は昭和四五年五月三〇日から同年八月三一日まで三ケ月間休業を余儀なくされた。その損害は右平均収入の三ケ月分一二〇万一一九七円である。

(三) その後は原告入院のため、また後遺症によりトラツクの運転ができなくなつたので、原告の代りの運転手を雇入れて事業を継続した。その運転手に支払つた給与は次のとおり三一八万三二〇〇円であるが、これは事故に遭わなければ免れた出捐である。

昭和四五年 運転手丸林清蔵 三〇万円

昭和四六年 右同 八二万二七〇〇円

昭和四七年 右同 八〇万六五〇〇円

昭和四八年 右同及び石丸砂雄 一二五万四〇〇〇円

(四) 原告は事故前はトラツクの運転から事務処理まで一人で行つていたが、事故後は後遺症のため右のように運転手を雇い事業を継続してきた。そのため原告は右後遺症により少くとも運転手一人当りの給料分の利益を失つているが、昭和四八年度には運転手四人を雇いそれに支払つた給料は合計六一五万八八九四円であり、一人当り一五三万九七二三円となる。これによつて原告の逸失利益を計算すると二二一三万三五一八円となる。

(1) 年齢 三四年

(2) 就労可能年数 二六年

(3) ライプニツツ係数 一四・三七五

一五三万九七二三円×一四・三七五=二二一三万三五一八円

(五) 以上(二)ないし(四)を合計すると二六五一万七九一五円となる。

(六) 仮に右の(一)ないし(四)の主張が認められないにしても、原告は昭和四五年から重機械の運送業を行つていたが、得意先まわり、銀行まわり、その他事務所内での事務を処理したほかトラツクの運転にも従事してきた。ところが本件事故のためトラツク運転業務は一切行うことができず、わずかに従来も行つていた事務しかできない状況になつている。したがつて、原告はトラツク運転手分の労働能力を喪失していることは明らかであるから、原告の休業損及び逸失利益は少くともトラツク運転手の給与額を基礎に算出されるべきである。

(1) 昭和四五年当時の自家用貨物自動車運転手の平均給与額は六万一〇八六円であるから、事故のあつた同年五月三〇日から同年末まで七ケ月間の合計四二万七六〇二円

(2) 同じく昭和四六年度の平均給与額は六万八六〇〇円であるから、その一二ケ月分合計八二万三二〇〇円

(3) 同じく昭和四七年度の平均給与額は七万七一〇〇円であるから、その一二ケ月分九二万二五〇〇円

(4) 同じく昭和四八年度の平均給与額は九万三一〇〇円であるから、その一二ケ月分一一一万七二〇〇円

(5) 同じく昭和四九年度の平均給与額は一一万六六〇〇円であるから、その一二ケ月分一三九万九二〇〇円

(6) 昭和五〇年度についても前年と同じく一三九万九二〇〇円

(7) 昭和五一年以降について昭和四九年度の平均給与額一一万六六〇〇円を基礎に、就労可能年数二五年、ホフマン係数一五・九により逸失利益を計算すると二二二四万七二八〇円

以上(1)ないし(7)を合計すると二八三三万六一八二円となる。したがつて、いずれの計算方法によつても、前記休業補償及び逸失利益二六五一万七九一五円の損害は明らかである。

5 慰藉料 三五〇万円

本件事故の態様、治療経過、後遺症の程度その他を考慮すると、原告の精神的苦痛を慰藉する額としては右金額が相当である。

四  損害の填補 四〇四万円

被告より一九五万円、自賠責保険より二〇九万円の支払を受けた。

五  結論

よつて、原告は被告に対し前記損害額三〇五七万二〇一五円から填補額四〇四万円を控除した残額二六五三万二〇一五円の損害賠償請求権を有するが、本訴ではさしあたりそのうちの一三〇〇万円と弁護士費用一〇〇万円の合計金一四〇〇万円、及びこれに対する事故発生の昭和四五年五月三〇日から支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

(請求原因に対する認否)

一  請求原因一の事実は、5の事故の態様を争い、その余はいずれも認める。

原告は、事故現場が連日の晴天で非舗装の路面が乾燥し、原告車の直前をこれと同一方向に進行していた大型貨物自動車が砂塵をまき上げていた中を、高速度で追随運転していたもので、原告自身この場合、相当の車間距離を保持し、かつ緩速度で前進すべき注意義務があるにもかかわらず、これを怠つていた過失がある。

二  請求原因二の事実は認める。しかし、右一に主張した原告の過失は相殺せらるべきものである。

三  同三の損害はいずれも争う。

四  同四の損害の填補については、自賠責保険より二五九万円(ただし五〇万円は治療費)、被告から生活補償として一九五万円、休車補償として一〇七万一〇〇〇円を支払ずみである。

(被告の損害の填補に関する主張についての認否)

被告からその主張の金額の支払を受けたことは認める。

第三証拠関係〔略〕

理由

一  事故の発生

請求原因一の事実は、5の事故の態様に関する部分を除いて、当事者間に争いがない。

二  事故の態様と双方の過失

成立に争いのない甲第一一、一二号証、乙第一ないし第八号証、第九号証に証人前田初の証言を併せると、次のように認められる。

1  本件事故の現場は福岡県粕屋郡宇美町井野七〇八番地先の県道上であり、二日市方向から宇美方向へ通ずる幅員六・四メートルの右道路はほぼ直線で見とおしは良好であるが、たまたま事故現場は宇美方向がアスフアルト舗装、二日市方向が非舗装の境界となつており、当時連日の晴天で特に非舗装道路の路面が乾燥し、車両の進行によつて砂ぼこりがひどく舞い上り、そのため前方の見とおしが困難となる状況にあつた。

2  原告運転の車両と訴外前田初運転の被告会社車両とは、いずれも大型貨物自動車であり、原告車がわずかに大きいが、その車幅は二・四五メートルで、通常であれば右道路での離合には特段の支障はなかつた。

3  原告は本件事故によつて頭部を打撲し、事故直前の模様を殆んど記憶していないが、宇美方向より二日市方向に向け時速四〇~五〇キロで、道路の中央からやや左側を進行中、反対方向から右中央線をわずかに越え道路右側部分に進入してきた被告車両と、互いに右前部で衝突するに至つた。

4  前記前田運転の被告車は二日市方向から宇美方向に向け、同じく時速四〇~五〇キロで進行し、事故現場の手前で対向してきた大型車両と離合した際、その捲き上げる砂ぼこりのため一時前方の見とおしが困難となつたが、そのままの速度で道路の中央線をわずかに越えて進行していたところ、直前になつて原告車の接近にはじめて気付き、何らなす余地もなく衝突したものである。

5  右前田が道路の中央部分を進行していたのは、該道路の左端部分に盛土などがあつて凹凸が多く、これを避けるため自然中央寄りとなつたというのであるが、このような砂ぼこりの多い非舗装道路を進行するとき、対向車両との離合の直後はその捲き上げる砂塵等により前方の見とおしが悪くなり、後続車両の発見が困難となるから、これに備えて十分に減速し、かつ道路の左端に寄つて進行すべきことは当然の措置であり、これを怠つた右前田に重大な過失があることは明白である。

6  しかし、原告もまた、被告車が道路の中央線を越えて進行してくるのに対し、いよいよ衝突の直前ブレーキを踏んだ(事故現場に〇・七メートルのスリツプ痕を残す)のみで、格別の措置を講じた形跡がない。これは原告車に同乗していた訴外北島幸雄の述べるところによれば、被告車両との衡突前にその先行車と原告車とが離合したが、同所は舗装部分ではあつたけれども、やはり非舗装道路との境界に近く、右離合の直後砂ぼこりが舞い上つて、後に続く被告車両の発見が遅れ、これが中央線を越えて進行してくるのに直前まで気付かなかつたためと思われる。

そうだとするならば、かかる道路においても、道路の状況によつては、大型車両等が道路の中央線をはみ出して進行してくることは予想されないことではないから、その対向車両においても十分前方を注視し、早期にこれを発見して事故回避の措置をとり得るよう努むべきであり、しかも離合の直後は砂ぼこりのため前方の見とおしも十分できない状況においては、いよいよ後続対向車の発見が困難となる(そのことは同時に対向車側からも同じような事情にある)のであるから、できるだけ先行車との間に十分な距離を保ち、適当に減速のうえ道路の左端に寄つて進行すべきであつた。その点において、前記前田の過失とは程度の差こそあれ、原告にも安全運転の義務に欠けるところがあつたといわねばならない。

以上のように認められ、他にこれを左右するだけの格別の証拠はない。そして、以上認定の諸事情を勘案すると、双方の過失割合は被告側(前田初)の八五%に対し原告の一五%とみるのが相当であろう。

三  被告の責任

被告が前記前田運転の被告車両を保有し自己のために運行の用に供していたことは当事者間に争いがないので、過失相殺の点はともかく、自賠法三条により被告は本件事故によつて原告の被つた損害を賠償する責任がある。

四  損害

1  治療関係費 一五八万一八六二円

前記争いのない事実と成立に争いのない乙第一一ないし第三一号証に証人有吉健の証言を併せると、原告は本件事故によつて古川外科整形外科病院及び築山整形外科病院に合計四二七日入院し、又右築山整形外科病院と九州大学付属病院に通院しているが、その間の治療費及び義足、松葉杖、氷代等(一般に入院諸雑費に含まれない治療関係費)として合計一五八万一八六二円を要したこと、しかしこの関係は自賠責保険から五〇万円、被告から一〇八万一八六二円がすでに支払われているので、原告において本訴請求金額に掲げていないことが認められる。

2  入院雑費 一二万八一〇〇円

前記入院期間四二七日に一日平均三〇〇円程度の雑費を要したであろうことは、経験則上十分に肯認できる。

3  付添看護料 三五万五〇〇〇円

成立に争いのない甲第三号証に、証人江藤則子の証言とこれによりその成立を認め得る甲第五号証を併せると、原告が前記病院に入院中その妻則子が看護のためこれに付添つたが、その間三五五日はその必要があつたものと認められるので、当時の一般的基準に照らし一日一〇〇〇円の割合で計算した三五万五〇〇〇円の範囲で損害を認定する。

4  休業補償及び逸失利益 一〇八二万六一四一円

(一)  証人江藤則子の証言とこれによりその成立を認め得る甲第六、七号証、証人稲葉茂実の証言とこれによりその成立を認め得る甲第八ないし第一〇号証に原告本人尋問の結果を併せると、原告は本件事故前の昭和四五年一月頃から大型貨物自動車二台を所有して、建設機械等の運搬を主とする運送業を個人で営んでいたが、本件事故によつて入院を余儀なくされ、事故の翌日である同年五月三一日から休業のやむなきに至つたが、原告の入院は相当長期にわたり、又一応の治癒はみるにしても足腰に後遺症が残り自動車の運転ができなくなることも予測されたので、取り敢えず同年八月末から代りの運転手を雇つて事業を再開し、その後昭和四六年に入ると貨物自動車を新に購入するとともに運転手も増員し、同年七月末に原告がその主張のような後遺症を残して退院するや、自ら車を運転しての営業に見切りをつけ他人を雇つての運送業に本格的に取り組むようになり、やがて所有自動車の台数を五台に、運転手も四名に増やし営業を次第に拡大し、昭和四九年一月からはこれを会社組織に改め、原告自身貨物自動車の運転こそできないが、ノークラツチの乗用車は運転可能なところから、これによつて仕事の受注、配車関係、資金繰り、集金等の事務を処理していることなどが認められる。

(二)  そこでまず、事故直後から昭和四五年八月末まで約三ケ月の休業期間の損害を考えてみるに、原告は当時の営業による平均収益を一ケ月四〇万〇三九九円と主張し、その証拠として前示甲第六、七号証を提出する。しかし、これから窺われる事故前五ケ月間の運送料収入の合計三二九万九四二二円はともかく、これに対する必要経費一二九万七四二六円は、右収入の約三九%であり、その後原告が昭和四六年から四八年にかけて提出した所得税青色申告書(甲第八ないし第一〇号証)の収入に対する経費の割合が、それぞれ九三%、八六%、九六%(問題となる給料賃金を除外しても七二%、六八%、八〇%)となつていることに比べれば、余りにも低額にすぎ、このような資料をそのまま採用しその収益を推計することは相当でない。そして、この点他に格別の証拠もないが、少くとも原告が予備的に主張する自家用貨物自動車運転手の平均給与額程度の収益はあつたものと判断されるので、統計表にこれを求めると昭和四五年当時は一ケ月六万一〇八六円であり、その三ケ月分は一八万三二五八円となる。

(三)  その後、原告は運転手を雇つて事業を再開したが、昭和四八年までの間、原告自身が貨物自動車を運転できないことから、これに代るものとして余分に運転手一名を要したので、その給与支払分が損害であると主張する。しかし、原告が前記のように昭和四六年七月末に病院を退院し、同年八月二五日症状固定となるころまでは、なるほど同人は全く稼働できなかつたのであるから、運転手一名分の給与額をそのまま損害と認めることは当然としても、その後は運転手を雇用しての運送業に規模を拡大し、自ら貨物自動車の運転こそしないが、それ相当の事務を処理し経営にあたつているのであるから、同様に運転手一名分の損失を認めることは相当でない。原告は事故前も自動車運転の傍らこのような事務を処理しており、運転業務に就き得ないことによる損失は明らかというが、独力で運送していたころとは営業の規模に大きな差があり、経理関係の事務など到底同一に論ずることはできない。

しかし、原告に本件事故による後遺症がなく貨物自動車の運転が可能ならば、時には自らも運送業務に従事して、更に何程かの収益をあげ得たであろうことは十分想像できるので貨物自動車による運送業務の特殊性、経営の規模その他諸般の事情に、自賠法施行令別表七級一〇号の後遺症についての労働力喪失率(五六%)などを併せ勘案し、原告の前記症状固定のころから六〇歳に達するまでの間、前示運転手の平均給与額の五〇%程度の損害はこれを認めるべきであろう。

(四)  そこで、成立に争いのない甲第一三ないし第一六号証から窺われる平均給与額を基礎に、その間の逸失利益の事故時における現価をライプニツツ式により概算すると、別表記載のとおり一〇六四万二八八三円となり、これに前示三ケ月間の休業損を合せると、その損害額は一〇八二万六一四一円となる。

5  慰藉料 二八〇万円

本件事故の態様、原告の受傷の内容、入通院期間、後遺症の程度等諸般の事情を綜合すると、その慰藉料としては二八〇万円をもつて相当と認める。

五  損害の填補 六六九万二八六二円

以上の損害額を合計すると一五六九万一一〇三円となるが、原告自身にも過失の認められること前示のとおりであるから、これを斟酌すると、被告において賠償すべき額はそのうちの八五%にあたる一三三三万七四三八円というべきである。

しかして、自賠責保険より治療費関係の五〇万円を除いて二〇九万円、被告から生活補償として一九五万円、休車補償として一〇七万一〇〇〇円が、それぞれ原告に支払われていることは当事者間に争いがなく、そのほかに自賠責保険及び被告から治療関係費として合計一五八万一八六二円が支払われていることはすでに認定したとおりである。

そこで、これらを前記損害額に充当すると、残損害額は六六四万四五七六円となる。

六  弁護士費用 六〇万円

本件事案の内容、審理の経過に右認容額等を併せ考慮すると、被告をして賠償せしむべき弁護士費用としては六〇万円をもつて相当と認める。

七  結論

そうだとすると、被告は原告に対し右合計金七二四万四五七六円と、そのうち弁護士費用を除いた金六六四万四五七六円に対しては事故発生の昭和四五年五月三〇日から、弁護士費用金六〇万円に対しては本判決言渡の翌日である昭和五一年六月二六日から、各支払ずみまで民法所定の年六分の割合による遅延損害金を支払う義務があるので、原告の本訴請求を右の限度で理由があるものとして認容し、その余を失当として棄却することとし、民訴法八九条、九二条、一九六条を各適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 権藤義臣)

(別表)

(1) S45.9.1~45.12.31

61,086円×4ケ月=244,344円

(2) S46.1.1~46.8.31

68,600円×8ケ月×0.9523=522,622円

(3) S46.9.1~46.12.31

68,600円×4ケ月×50%×0.9070=124,440円

(4) S47.1.1~47.12.31

77,100円×12ケ月×50%×0.9070=419,578円

(5) S48.1.1~48.12.31

93,100円×12ケ月×50%×0.8638=482,519円

(6) S49.1.1~75.12.31

116,600円×12ケ月×50%×(15.3724-2.7232)=8,849,380円

(1)~(6) 合計 10,642,883円

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